Oracle使いが語る、FileMakerを利用した新たなソリューションの可能性 (1)
林 優子 [著] 2007/10/18 15:30

サンプルファイル 9.72 KB

データベースを設計する際、ユーザからヒアリングしてシステムが構築されるまでの間に、運用上の仕様が変わってしまうことは多々あります。これはエンジニアにとっても現場担当者にとっても、由々しき問題です。そこで、高度な専門知識を必要とせずにデータベースを構築できる「FileMaker」を利用し、現場で必要なデータは、現場担当者自身の手で行ってもらう、というアプローチを紹介します。

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OracleとFileMakerの出会い

 私はOracleの認定インストラクターという経歴が功を奏して、最近は、Oracle以外のデータベース(以下、DB)を勉強させていただく機会に恵まれています。Oracle使いである私にとっては、DBはエンタープライズであろうがミドルレンジであろうがOracleがあれば十分と思っています。そんな私がFileMakerとは、どういう風の吹き回しかと思われることでしょう。

 DBはいろいろな層の人たちが使用しています。経営判断にデータを使用している人もいれば、そこに至るまでのデータを日々蓄積している人もいます。

 数年前、ある会議に参加してドキッとしたことがありました。

「社内システムのデータは信用できないんです」

 財務部長とその配下の業務担当者の報告数に違いがあったのです。「データの出所もとは何だ」という役員からの問いに「私が管理しているExcelファイルです」と業務担当者は答えました。「社内のシステムを使用するというルールになっているだろう」と役員が言うと、「ですが、システムのデータは信用できないので、システムとは別に自分でもExcelで管理しているんです」と答えたのです。私がドキッとしたのはこの発言です。

 プログラムの瑕疵(かし)という理由ではなく、ユーザーの運用方法の変化によりデータが陳腐化していくことがあります。将来の拡張性や柔軟性を考慮した設計をしていなかったからだ、と言われればそれまでかもしれませんが、設計当初の想像を超える使い方が発生するのが現状ではないでしょうか。同僚のやっていることをよく観察してみると、AccessやExcelのVBマクロを駆使していろいろなデータを管理しています。

現場担当者がシステムを作らざるを得ない局面

 先日は、人手が足りないから借り出されたという法務担当者が、500人弱のセミナー参加者のアンケート入力シートと、それを集計するVBマクロを2日かけて作っていました。2日かかることを笑っているのではありません。「今忙しいから、作ってあげる時間なんて取れないよ。プログラムを考えている間に、人海戦術で集計するほうが早いんじゃない」とSEから突き放された、SEでもない彼らが自分たちなりにシステムを作り上げたことに拍手してあげたいのです。

現場のニーズと社内システムとの乖離

 ちょっと古い邦画ではありませんが、「データは現場で生まれている」のです。上の人が開発会社と相談して作ってくれたシステムは、出来上がった時点で既に現場の状況と少し「ずれ」が生じています。しかも、それを指摘したところで対応したものが出来上がってくるのは、また数ヶ月先です。だったら、ちょっとの違いは自分の手元で管理しようと現場の人間が考えても当たり前のことでしょう。また、SEもそうしてくれと思っています。

現場担当者によるデータ管理のススメ

 だったら、データは現場で作ってもらいましょう。そして現場が「必要だから」と溜め込んでくれたデータをOracleから利用できるようにして、経営に活用すれば良いのです。

 データは、必ずしもOracle Database(DB)に物理的に取り込まなくても、アクセスできる方法はあります。例えば、「外部表(図1)」という機能をご存知でしょうか?

図1 外部表
図1 外部表

 Oracle 9iから提供されている機能ですので決して新しい技術ではありません。OS上のデータをあたかもDB内のデータかのごとくSELECTすることができる機能です。そこから先の話は後述するとして、今回は、SEの視点ではなく現場の視点でデータベースを作ってみましょう。データベースは従来どおりAccessやExcelでもいいですが、ここではFileMakerを使ってみることにします。


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INDEX
Oracle with FileMaker:必要なデータは現場で管理させるというアプローチ
Page1
OracleとFileMakerの出会い
こんなに簡単、FileMakerでのデータベース作成
FileMakerとOracleとの連携
現場担当者が自らデータベースを構築するメリット
次回予告
プロフィール
林 優子 ハヤシ ユウコ

株式会社システム・テクノロジー・アイ 取締役副社長 Learning 事業部 事業部長。

日本オラクル株式会社の教育ビジネスのスタートアップを全面的に支援し、Oracle 歴十数年のベテラン講師として知る人も多い。

華奢な体とは相反して、インストラクタ内でも一番タフに動き、超多忙なスケジュールを毎日エネルギッシュにこなしている。 著作は「オラクルマスター教科書」、「DBマガジン」連載(翔泳社)など多数。 日本オラクル社より2005年、Excellent Instructor of the Year賞、2006年、Excellent Instructor を受賞 AB型。

2006 年よりマイクロソフト実施のオラクル DBA 向けの SQL Server 2005 トレーニングにも参画。ワンランク上のデータベース マスター育成を目標にデータベース エンジニア向けの書籍やトレーニングの提供を支援。


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