SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit 2024 セッションレポート(AD)

人事部門内にエンジニア組織を立ち上げ、人事データ分析を効率化するデータ基盤を構築

【15-C-3】Lookerを活用した人事データ基盤構築PJT~エンジニアチームが社内を巻き込み人事組織立ち上げから開発まで行った話

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに掲げるパーソルグループで、主に転職サービス「doda」の運営を担っているのがパーソルキャリアだ。同社のシステム部門となるテクノロジー本部デジタルテクノロジー統括部デジタルソリューション部 柳賢二氏が、同社の人事部門内にエンジニア組織を新たに設立して人事に関するデータ活用を推進してきた経緯について解説する。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

なぜ人事部門内にエンジニアグループを発足する必要があったのか

 パーソルキャリアといえば「doda」をはじめヒューマンリソース(人事)を扱う企業。「だからこそ自社の人事課題にも本気で取り組まないといけないと人事エンジニアグループ(以下、HRDXグループ)を立ち上げました」とパーソルキャリア テクノロジー本部 デジタルテクノロジー統括部 デジタルソリューション部 人事エンジニアグループ マネジャー 柳賢二氏は言う。なお現在は人事本部 人事IT推進部 HRDXグループのマネジャーも兼任している。

パーソルキャリア株式会社 テクノロジー本部 デジタルテクノロジー統括部 デジタルソリューション部 人事エンジニアグループ マネジャー 柳賢二氏
パーソルキャリア株式会社 テクノロジー本部 デジタルテクノロジー統括部 デジタルソリューション部 人事エンジニアグループ マネジャー 柳賢二氏

 設立当初の課題は大きく分けて、人事組織の縦割りの弊害と人材不足の2つ。まず縦割りの弊害について柳氏は「部署や施策ごとにそれぞれいい活動をしているものの、スコープが異なるためノウハウやデータなどが複数部署の管理職ミーティングで議題にならない。つまり情報共有に課題がありました」と話す。そのため部署横断的なデータ活用ができない、あるいはシステムが非効率に乱立してしまうなどの弊害が懸念された。

 ただし部署間でコミュニケーションがなかったわけではない。派閥があるわけでもない。みな従業員を向いていた。ではなぜ人事部門内にエンジニア組織を作ったのか。その理由として柳氏は①世の中の変化、②人材採用競争、③ニーズ多様化の3つを挙げた。

 ①はVUCA時代に向けて対応力が必要になり、人事や組織も当てはまるということ。②はヒトの力を活用していく必要があるということ。他社のサービスやシステムを真似ることはできても、アイデアを生み出すのはヒトだ。ヒトの重要性を今以上に理解した上でパフォーマンスを最大化していく必要がある。③はライフスタイル多様化に向けて、はたらくうえでのニーズに労働基準法や労働安全衛生法の遵守も含めて効果がある対応をしていく必要がある。こうした背景から人事にエンジニア組織を設立しようという話に結びついた。

 視点を変えると「“知る”から“改善”までの対応スピードを上げる必要がある」と柳氏は言う。データを収集し、業務を可視化することで仮説が立てられるようになり、それを検証することで最適化や改善につなげることができる。このサイクルを早く繰り返すことがITの力であり、これを人事にあてはめれば社員にキャリアの選択肢を提供することにつながる。

なぜ人事にエンジニア組織をつくる必要があるのか
なぜ人事にエンジニア組織をつくる必要があるのか

 立ち上げたHRDXグループに所属するエンジニアの職種は次の通り。各部署との関係作りや組織としての戦略をたてるビジネスストラテジスト、プロジェクトを管理するPM、課題の原因について仮説を立てて解決策を提案するデータアナリスト、データを可視化するBIエンジニア、データを管理するデータエンジニア、データ連携やインフラの構成設計や構築するインフラエンジニアだ。

 こうした職種のくくりはあるものの、柳氏は「互いに協力しあい対応しています。自分の仕事はこの領域だけという考えは持っていません。そうすることでチーム間でボールがこぼれるのを防いだり、ひいては今後のキャリアの拡大にもつながると感じています」と話す。

 そうはいうものの、やりたいこと(やらなくてはいけないこと)に人手が追いつかないという課題もある。柳氏は「やりたいことに対してどれくらい効果が出るのかなどを踏まえたうえで組織のポジション作りを推進しているところです」と話す。

次のページ
人事データ基盤のシステム構成やアーキテクチャ概要

この記事は参考になりましたか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Developers Summit 2024 セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

川又 眞(カワマタ シン)

インタビュー、ポートレート、商品撮影写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:パーソルキャリア株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/19282 2024/04/23 12:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング