はじめに
今日、ECサイト、CMS、ブログ、SNSなど、様々なWebアプリケーションが公開、あるいは販売されています。そうしたWebアプリケーションでは、利用者向けの機能だけではなく、管理機能もWebアプリケーションとして実装されているものが大半です。
既成の機能ですべての業務フローがカバーされていれば問題ありませんが、開発言語やそのシステムの仕様に精通していなければカスタマイズを行なうことは困難なため、現場のニーズに柔軟に対応する必要がある用途では難がありました。
本記事では、Webアプリケーションの管理ツールとしてFileMakerを使うことで、エンドユーザでもカスタマイズが可能なシステムを実現する手順を紹介したいと思います。
対象読者
- Webアプリケーションの利用者、開発者(FileMakerの使用経験は必要ありません)
目標
Webアプリケーションの中でも、登録情報のメンテナンスや帳票の出力を求められる局面の多いECサイトのシステムに、FileMakerで商品マスタ画面、注文書の印刷機能を追加してみましょう。
ECサイトの題材としては、日本発のECオープンソース・システム「EC-CUBE」を選びました。EC-CUBEは、データベースとして、オープンソース界の雄であり、FileMakerからの接続が可能なMySQLを利用することができます。日本語の情報が充実していて、データベース定義資料が公開されていることも、今回のような試みには好都合です。
FileMakerがどのような形でWebアプリケーションが不得手とする機能をカバーすることができるのかを見ていきましょう。
環境設定
まずは、EC-CUBEをインストールします。
開発元のインストール手順通りになりますが、筆者のMySQL 5.0.19-log環境では、データベースのエンコーディングをUTF-8にしても日本語が文字化けするため、/data/class/SC_DbConn.phpファイルの66~68行目のコメントアウトを削除して下記のようにすることで問題を回避しました。
66: if (DB_TYPE == 'mysql') {
67: $objDbConn->query('SET NAMES utf8');
68: }
FileMakerは30日間全機能を試すことができる無料評価版が公開されています。この記事で紹介している内容は評価版でも試すことができるので、ダウンロードして実際に試してみてください。インストールは、ウィザート形式の指示に従うだけで完了します。
FileMakerからMySQLに接続するためには、「外部SQLデータソース」(以下、「ESS」)の機能を使用します。ESSはODBC経由でアクセスするため、MySQLのODBCドライバをインストールして、DSN(データソース名)の設定を済ませておきます。
ESSの対応するデータベース、ODBCドライバの条件については、FileMaker社のページをご参照ください。
操作手順
外部のデータソースとの連携
- [ファイル]-[管理]-[外部データソース]メニューを実行して、[外部データソースの管理]ウィンドウを開く。
- [作成]ボタンをクリックして、タイプに[ODBC]を指定し[DSN:]行にある[指定]ボタンをクリック。
- EC-CUBEに接続するためのDSNを選択します。
- データソース名(FileMaker内で識別のために使う名前)、ユーザ名、パスワードなどを指定して、[OK]ボタンをクリック。
- [ファイル]-[データベース]メニューを実行して、[データベースの管理]ウィンドウを開き、[リレーションシップ]タブを選択。
- リレーションシップグラフ画面の左下にある「テーブル追加」ボタンをクリック。
- [データソース]プルダウンから先ほど作成したデータソース名を選択。
- データソース内のテーブル一覧が表示されるので、ここでは商品マスタの「dtb_products」テーブルを選択。

これで、EC-CUBE内の「dtb_products」テーブルをFileMaker内にあるテーブルと同じように扱うことができるようになりました。





